林道ファン〜林道探索が好きなバイク乗りの備忘録

林道にロマンを感じるバイク乗りが、日々変わりゆく関東甲信越の林道を実走調査して記録に残しています。

福島県・林道 差塩線

県道入口から未舗装路が続いているが、極めて走行が乏しく荒れ気味な完抜けダート林道

探索年:2018年10月

所在地:福島県いわき市三和町差塩(さいそ)

舗装状況:完抜けダート

難易度:車重200kg未満推奨

一口メモ:県道66号小名浜小野線から直接アプローチできる短い完抜けダート林道。路面自体はほぼフラットですが、全体的に走行跡が極めて乏しく、草で路面が見えづらい(見えない)箇所があるために走行には注意が必要。終点では一本山毛欅(いっぽんぶな)に通じるダート林道に接続しています。

 

 

磐越自動車道とほぼ並行して走る、いわき市の県道66号小名浜小野線を北上していくと、磐越道の差塩PAを1.5kmほど越えた先に林道差塩(さいそ)線の入口があります。県道が快適な2車線山間路なので、気持ちよく駆け抜けていると入口を見落としてしまいそうになります。

 

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県道側の林道入口です。起点からダート路面が続いていて、一見走りやすそうなフラットダートといった雰囲気ですが、カーブの先はどうなっているのでしょうか?

県道との接続地点からダートというのは、林道ライダーにとって大変嬉しい状況ですが、この県道66号線も2車線の楽しい道で、本日は休日という事もありツーリングバイクも時々見かけますが、誰一人としてこんな林道分岐には目もくれずに軽やかなペースで通過していきます。

 

 

 

 

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林道差塩線は県道側が起点となっており、入口には起点の林道標が建っているので見落とすことはありません。延長1493mと記載があり、ツーリングマップルでも完抜けであることが確認できます。

 

 

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さっそく林道に足を踏み入れて進んでいくと、ここまではフラット路面が続いており、この先も走りやすそうな路面が続くものとの期待が持ててきました。正面は磐越道で、道路をくぐって越えていきます。

 

 

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磐越道をくぐる直前、トンネル前後はアスファルト路面ですが、ダートから切り替わる部分が崩れてかなり荒れており、洗堀されたのか大きく掘れているのでルートを選んで進む必要があります。道路幅全体にわたって深く掘れているため、普通乗用車はここを越えて進んで行くことはほぼ不可能な状況になっています。

 

 

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磐越道をくぐった先は、少し荒れ気味ですがオフロードバイクにとっては楽しく走れる路面が続いています。

 

 

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カーブの先はだんだんと轍が細くなりはじめ、路面全体に草が目立ってきました。でもまだまだ「生きている」道といった印象です。

 

 

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ついに軽トラ幅の4輪の轍も消えてしまいました。先を見るとこの先は一見廃道のような状況ですが、距離も短い林道のため、相棒CRFの機動力を信じて進んでみましょう。

 

 

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写真からは伝わりづらいですが、ここはかなりの急勾配のため、簡易的に舗装がされていますが、状況的にはダート路面とほとんど変わりません。むしろ隠れたコケで滑りやすく、いったん止まると再発進が困難なほどです。

 

 

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轍も乏しい急勾配区間を進んでいきます。10月の涼しい時期の訪問ですが、7,8月の真夏の草が全盛の時期だったら走行自体不可能だったかもしれません。

 

 

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いやな予感的中⁉️ …… やはりこの先は廃だったか‼️

 

前方の藪化した路面に一瞬ここで立ち止まりました。すでに轍は完全に消え去り、明らかに通行する車両がないことが分かります。この先のさらに廃道感漂う状況にためらいましたが、林道距離が短いことが分かっているので、降りて先の状況を確認しに行かずに、このまま一か八かで突進していくことにしました。これが長野や新潟の深い山で林道距離が長い場合、ほぼ間違いなく先は廃道化しているので、無理をせずこの時点で引き返しているでしょう。

 

 

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やった、出口だ!!

 

路面も全く見えない状況で藪の中を進んでいくと、やがて林道終点が見えてきました。最後は下り勾配で別の林道へ接続しています。

 

 

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終点側から見た差塩線の入口です。パッと見た限りこちらからも荒れのない林道かなと感じてしまいますが、重量車は初見で入り込むのは絶対に禁物です。もしGSで踏み込んでいた場合、先ほどの轍が消えた時点で引き返していたかもしれません。

 

林道差塩線は起点からほぼ一貫して上り続け、上がり切った先で終点という林道で、この終点からも別のダート林道が左右に続いています。

ちなみにこの林道を使わなくても左右に舗装された林道がそれぞれ存在しているので、林道差塩線の存在意義はほとんどない状態のようで、通行する車両もないものと思われます。バイクにとっては楽しめる林道でしたが、すでに半廃道状態なので、数年後に再訪したら完全に廃道になっていた、なんていうことが現実にはなってほしくないものと強く思いました。

 

 

(2019年8月公開)